クラレ 耐熱性を15℃向上させたメタクリル樹脂を開発

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2018年11月13日

 クラレは12日、従来品に比べ耐熱性を約15℃向上させた高耐熱性メタクリル樹脂(PMMA)「パラペットSP」を開発したと発表した。

 PMMAは透明性・耐候性に優れるという特徴を持っており、自動車や液晶ディスプレイ部材、建築材料、雑貨など幅広い分野で使用されている。同社では原料モノマーであるメタクリル酸メチル(MMA)からPMMAを生産し、さらにシートやフィルムまで一貫生産している。

 多様な重合技術や成形加工技術などの独自技術を活用した差異化ポリマー製品を展開しており、特に光学用高機能グレードや軟質グレードなどで高いシェアを持つ。

 近年、PMMAでも、透明性・耐候性・成形性に加えて、耐熱性向上の要求がある。同社はPMMA本来の物性を保持したまま高い耐熱性を有したパラペットSPの開発に成功、本格的にサンプルワークを開始する。

 PMMAの耐熱性を高める手法として、耐熱性の高いモノマーの共重合やポリマー鎖に環状構造を導入することが一般的に行われているが、このような手法で得られる耐熱性PMMAは、剛直性が高くなり、脆く割れやすいという課題がある。

 同社ではこの課題を解決するため、PMMAの高次構造に着目し、これを制御する重合技術を開発し、工業化することに成功した。

 同社の開発品は、PMMAが本来有する力学物性、光学特性、耐候性を保持したまま、一般的なPMMAと比較して約15℃高い、約130℃のガラス転移温度を持つ。また、製造方法に由来して、表面硬度の向上効果も確認されている。

 さらには、他の一部樹脂との相溶性についても良好な傾向が確認されており、発色性改善などの樹脂改質剤としての効果も期待される。

 同社は、高い耐熱性能が要求される自動車用途や光学用途、他樹脂とのブレンドによる樹脂改質剤、各種フィルム原料、表面コーティング剤などへの用途展開を図っていく。