三菱ケミカル 植物由来PCDが東レの人工皮革に採用

, , , ,

2018年11月22日

  三菱ケミカルは21日、植物由来のポリカーボネートジオール(PCD)「BENEBiOL」が、東レが発売する環境配慮型のスエード調人工皮革「Ultrasuede(ウルトラスエード)BX」の原料として採用されたと発表した。

「BENEBiOL」を採用したスエード調人工皮革「ウルトラスエード BX」
「BENEBiOL」を採用したスエード調人工皮革「ウルトラスエード BX」

 BENEBiOLは、2015年4月に三菱ケミカルが上市した世界初の植物由来PCD。非可食のひまし油から得られる特殊な原料を使用することで、従来のPCDを用いた場合に比べ、ポリウレタン樹脂に優れた風合いと柔軟性、強度を付与することができる。スエード調人工皮革の原料に植物由来PCDが採用されたのは初めて。

 PCDは水酸基(OH基)を1分子中に2個以上持つ化合物であるポリオールの一種。一般的に、PCDはポリウレタン樹脂やポリエステル系樹脂などの原料として使用する。PCDから製造された樹脂は、その優れた耐久性から人工・合成皮革や自動車の内外装塗料材料、電子機器向けの樹脂コーティング剤に使われている。

 同社はPCDなど地球環境にやさしく、高機能な植物由来素材の事業展開を積極的に進めている。今回は、原料供給を通じて、環境配慮型のスエード調人工皮革の開発をサポートすることで、新たな価値を提供することが可能になった。

 同社では今後も、機能性ポリオールを含む植物由来素材の開発を推進し、省資源と循環型社会の構築に貢献していく方針だ。