BASF 中国の3Dプリント大手プロバイダーに投資

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2018年11月22日

 BASFベンチャー・キャピタルはこのほど、中国・上海の3Dプリントプロセス・3Dプリンター大手プロバイダーのプリズムラボに投資すると発表した。

 プリズムラボは高速印刷・高精度印刷・低コスト印刷を特徴とする企業。BASFベンチャー・キャピタルは、ドイツの大手化学メーカーBASFのコーポレートベンチャーキャピタルである。プリズムラボはBASFの投資により、製品開発とイノベーションを加速させ、世界市場への展開を強化することができる。

 プリズムラボはステレオリソグラフィー(SLA)に基づいた、特許取得済みの3Dプリントプロセスであるピクセル解像度強化技術を開発した。SLAは光硬化性樹脂を使い、比較的大きな部品を製造することができる。

 同社の技術は、印刷速度を落とすことなく印刷解像度を向上。1つのピクセルに取り込まれるエネルギー量を増加させるため、樹脂中の各ピクセルをいくつかの小さなセクションに分割し、LCDライトを当てることで、個々に硬化させることができる。

 これにより、各ピクセルへのエネルギー入力は、各ピクセルに光を1回当てる同様のプロセスに比べ、著しく高くなる。このため、比較的大型で安定した部品や、多数の部品を同一製造工程で印刷することができる。また、LCDライトの使用により、プロセスコストも削減する。

 プリズムラボは、3Dプリンターの販売や、その他関連サービスの提供も行っている。BASFベンチャー・キャピタルのマルクス・ゾリビーダ・マネージングディレクターは「今回の投資は、中国企業への初めての直接投資。先駆的な技術により、医療用補装具や解剖学的模型のように、規模が大きく安定した部品が、初めて3Dプリントできるようになる」と話している。