積水化学 新配合の塩化ビニル管用着色接着剤を発売

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2018年11月30日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは29日、新たに開発した硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤「エスロン接着剤No.73Sバイオレット」を12月3日から発売すると発表した。

 同製品は紫色に着色した接着剤。従来の硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤の特性(粘度、接着強度、透明継手使用時の接合部視認性など)はそのままに、軟質塩ビフロアシートへの染み出しを防止できる。

 同社では、従来から硬質ポリ塩化ビニル管の配管施工に使用する接着剤を販売している。近年では施工品質と施工管理性の向上を狙いとした開発を進め、接合部の接着剤塗布状況が目視で判別できることを目的とした色付き接着剤として、数多くの着色接着剤を品揃えしてきた。

 排水用途では、青色の「No.73Sブルー/No.75SブルーN」や、ブラックライトで照らすと発光し、暗いピット内配管などでの確認が容易な「No.73SUV」を、上水用途では、養生時間を大幅に短縮した超速乾接着剤「No.20Sホワイト」などがある。

 しかし、一般的に着色接着剤は、施工の際に誤って床に付着してしまうと、その上から軟質塩ビフロアシートを敷設した場合、数カ月から数年後に、表面に着色剤成分が染み出す事象が起きることが確認されている。

 実際に入居済みの建物で、フロアシートの貼り替えに大規模な改修工事が発生した事例も報告されており、工事店からも染み出しが発生しない製品への要望が寄せられていた。

 そこで、同社では軟質塩ビフロアシートへの着色剤成分の染み出しメカニズムを解明。原材料から設計を見直し、業界で初めて床材への染み出しを防止する新配合の硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤を開発した。今後は配管用接着剤全体で、2020年度に売上高10億円を目指す。