日本化学会 国際周期表年を記念しエッセイなどを募集

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2018年12月5日

 日本化学会の「国際周期表年2019実行委員会」(委員長:玉尾皓平豊田理化学研究所所長)は、国際周期表年2019(IYPT2019)を記念して、中学・高校・大学生を対象としたエッセイコンテストと、産学からのメッセージを募集する。4日に開催した記者会見で、IYPT2019の事業計画の1つとして紹介した。

事業計画を説明する玉尾委員長(中央)
事業計画を説明する玉尾委員長(中央)

 エッセイコンテストでは、3人以上の学生グループが118個の元素の中から1つを選び、その元素についてエッセイを書いて応募する。それぞれの元素で最も優秀なエッセイを、中学・高校・大学の各部で表彰。コンテスト終了後は、同日開設したウェブサイトの周期表をクリックすると、エッセイを読むことができるようにする。

 応募の開始は来年1月から。第1回目の締め切りは3月末、第2回目は9月10日になる予定。産学からのメッセージは、大学の学科・専攻・研究プロジェクト、企業や研究所などが最もゆかりや関心のある元素(複数可)を選び、それぞれの特徴や成果などを広告という形で広報するもの。

 大学は1元素当たり10万円、産業界は同30万円の広告費を支払う、ウェブサイトの周期表の元素をクリックすると、各グループの名称とロゴがメッセージとともに掲載され、そこから各グループのホームページに飛ぶようにリンクを貼る。これにより、広報や宣伝に役立てることができる。

 2019年はメンデレーエフが元素の周期律を発見して150周年に当たる。また、理化学研究所のグループが合成・発見した113番元素ニホニウムを含む、118番までの4つの新元素名が2016年11月28日に確定し、周期表第7周期までが完成。これを記念して、昨年末に国連とユネスコがIYPT2019を制定した。

 日本化学会では国内のIYPT2019記念事業を実施する母体として、同会内に実行委員会を設置した。国際イベントとしては、1月29日にパリのユネスコ本部で開会式、2月8日のメンデレーエフの誕生日にロシアでも開会式を行い、12月5日に東京で閉会式を行う。

 国内では2月23日に日本学術会議で、国内の実質的な開会式となる記念式典を実施。関連行事として3月17日に日本物理学会年会(九州大学)・日本化学会春季年会(甲南大学)連携シンポジウムなどを計画している。