宇部興産 塩野義製薬と新規抗RSウイルス薬創製で共同研究

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2018年12月11日

 宇部興産は10日、塩野義製薬の新規抗RS(respiratory syncytial)ウイルス薬創製に関する創薬プログラムで、共同研究契約を締結したと発表した。

 両社は低分子創薬に強みをもつ。感染症を重点疾患領域とする塩野義製薬の創薬力と、有機合成力に支えられた宇部興産の化合物デザインをもとに、SAR(Structure‐Activity Relationship:構造活性相関)研究での相乗効果を高めることで、新規抗RSウイルス薬の開発候補化合物の早期創出を図る。

 RSウイルス感染による呼吸器感染症は、2歳頃までにほぼ100%の人が少なくとも一度は罹患し、生涯にわたり感染を繰り返す疾患。特に生後数週間~数カ月間の時期では、母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こす恐れがあることが、国立感染症研究所から報告されている。抗RSウイルス薬は未だ存在しないため、アンメット・メディカルニーズが高く、有効・安全性の高い治療薬が求められている。