《化学企業トップ年頭所感》 旭化成 小堀秀毅社長

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2019年1月8日

 昨年は、当社グループにとっては中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」の仕上げの年だったが、計画はおおむね順調に推移し、2017年度に創業後初めて売上高2兆円を超えた。2018年度の営業利益は、昨年に続き、中計の当初目標を上回る見通しだ。事業環境に恵まれたこともあるが、社員の皆さんの日頃の努力の賜物であり、心から感謝する。

 2019年は現中計の達成に加え、次期中期経営計画のスタートとなる、極めて重要な年だ。次期中計では、2025年に当社グループが目指す姿「収益性の高い付加価値型事業の集合体」に向け、現中計で行った投資の成果の刈り取りはもちろんのこと、引き続き、新事業の創出、グローバル展開などの成長戦略を進めていく。

 新事業の創出については、今後も外部環境はめまぐるしく変化し、それによってスケールの大きなイノベーションが起こり、ビジネスチャンスが次々と生まれることが予想される。新たなマーケットの課題や要求に対して価値を提供するには、当社がもつ素材にサービスやシステムなどを組み合わせ、ソリューションという形でユーザーに提案していくことが必要だ。

 その手段として、社内のデジタルトランスフォーメーション推進、新しいテクノロジーの活用加速、オープンイノベーション、外部機関との連携や異業種との協力など、外部とのコネクトも重要となる。皆さんにはこのことを念頭に業務にあたっていただきたい。

 また、グローバル展開の加速も意識しながら、地域ごとに戦略を組み立て、高付加価値型事業を展開していくとともに、ナショナルスタッフ人財の獲得と育成にも取り組んでいく。

 当社グループが持続的に成長し続けるためには、皆さんが旭化成という大きなチームの中でそれぞれの役割やミッションを改めて認識し、主体的に行動する〝プレイヤー〟たることが重要だ。その一人ひとりの意識改革と成長が互いを刺激し、有機的にコネクトすれば、スポーツでいうところの〝連動〟すなわち相乗効果が生まれ、〝チーム旭化成〟はもっと、強くなることができると確信している。

 どのような環境下においても、当社グループの役割・使命は変わらない。「世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献します」というグループ理念のもと、持続可能な社会の実現と当社グループの成長を図ることだ。多様な事業活動やレスポンシブル・ケア活動を通じて、環境問題や社会問題の解決に貢献し、コンプライアンス遵守の徹底と透明性の高いガバナンス体制の運用を継続することで、ESG経営を推進して、企業価値の増大をさらに図る。

 今年も皆さんにとって健康・安全で、明るい1年となるように、旭化成グループが1つのチームとして一丸となって頑張っていこう。