《化学企業トップ年頭所感》 宇部興産 山本謙社長

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2019年1月9日

 当社グループにとって、昨年は「品質検査上の不適切行為への対応」という大きな試練の年であり、お客様をはじめ関係する方々に大変なご迷惑とご心配をお掛けした。現在はグループを挙げて再発防止に取り組んでいるところだ。

 また、昨年はUBEグループの中期経営計画「Change & Challenge 2018」の最終年でもあり、「持続的成長を可能にする経営基盤の強化」と「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、特に化学部門の復活を大きな課題として取り組んできた。現時点では、今期業績はほぼ当初の予想レベルで推移しており、事業環境の影響もあるが、皆さんの努力の成果が結びついているものと思う。

 昨年より「10年後のありたい姿」を具体的に想起して、何を成すべきかを議論してきたが、今年は、今後3年間の達成目標とそのためのアクションプランである次期中期経営計画を決定してスタートさせる年だ。品質保証体制の充実をはじめとして、ガバナンスの強化に引き続き取り組んでいくことも計画の重要な要素だ。経済面では先々の不透明感が一層色濃くなるものと覚悟して臨まなければならない1年になると思う。

 このような事業環境下、現中計をきちんと仕上げて、一段と成長した企業グループとなるよう、次期中計をスタートさせていく。新年を迎え、皆さんに次の3点をお願いする。

 ①労働災害・設備災害撲滅を目指し、「安全文化の醸成」活動を進めている。労働災害は減少傾向にあるが、設備災害面はまだ結果として現れていない。一歩でも二歩でも前進しよう②品質やその根底にあるコンプライアンスへの自身の意識レベルを上げてほしい③「顧客価値創出」「挑戦」「本質探究」の3つの行動価値を、スピード感を持って一人ひとりが引き続き実践していこう。