ダイセルの4-12月期 販売増と売価改定で増収に

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2019年2月4日

 ダイセルが1日に発表した2019年3月期第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比3%増の3569億円、営業利益は同3%減の448億円、経常利益は同2%減の479億円、純利益は同16%増の331億円だった。

 有機合成や合成樹脂の販売数量増や販売価格改定などにより増収。原料価格の上昇や研究開発費の増加などによって営業利益は減益となった。

 セグメント別でみると、セルロース事業部門の売上高は同5%減645億円、営業利益は同18%減の129億円。原料価格の上昇や市況軟化の影響などにより減益となった。酢酸セルロースは液晶表示向けフィルム用途の販売数量が微減となったことなどで、売上高が減少した。

 有機合成事業部門の売上高は同15%増の684億円、営業利益は同105%増の115億円。販売数量の増加や原燃料価格の上昇に伴う販売価格の改定などにより増益となった。主力製品の酢酸は堅調な需要や市況上昇の影響などにより売上高が増加した。

 合成樹脂事業部門の売上高は同六%増の1353億円、営業利益は原燃料価格上昇の影響などを受け、同4%減の170億円。エンジニアリングプラスチック事業・樹脂コンパウンド事業・樹脂加工事業のいずれも売上高が増加した。このうち、エンプラ事業では自動車部品の需要増加や新規採用が進んだことによる販売数量の増加、原燃料価格の上昇に伴う販売価格の改定などが売上増につながった。

 火工品事業部門の売上高は同4%減の832億円、営業利益は販売品種構成の変化などにより、同15%減の147億円だった。

 通期の連結業績予想については、第2四半期時点で上方修正した数値を据え置いた。