AGC スペイン合成医薬品原薬製造会社の買収が完了

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2019年3月6日

 AGCはこのほど、昨年12月に発表したスペイン合成医薬品原薬製造会社であるMalgrat Pharma Chemicals社(MPC社)の買収手続きを3月1日に完了したと発表した。なお、連結決算への反映は、今年度第1四半期から行う予定。

 独自のフッ素技術と、自社創薬を含む豊富な経験をもつAGCにMPC社が加わることで、AGCとして初めて欧州で合成医薬品中間体から原薬までの欧州での一貫製造が可能となる。

 MPC社は、cGMP(製造管理と品質管理の基準)に対応していることに加え、合成医薬品原薬の製造では長い歴史と豊富な実績があり、開発医薬品から商用医薬品まで幅広いスケールの生産に対応している。

 今回の買収により今後も大きな需要の伸びが見込まれる欧州市場でのプレゼンスを高めるとともに、世界中の顧客に向けた合成医薬品CDMO(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社)事業をより一層拡大していく。

 AGCグループは、経営方針「AGC plus」の下、ライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置づけており、2020年に売上高650億円以上、2025年に1000億円以上を目指している。MPC社買収は、同事業において、バイオ医薬品CDMO事業のBiomeva社(2016年)、CMC Biologics社(2017年)の買収に継ぐ、欧米での製造販売拠点獲得となる。

 今回のMPC社買収の完了を成長に向けた重要な一歩とし、今後も大きな需要の伸びが見込まれる合成医薬品・バイオ医薬品事業において、必要な買収・設備投資を積極的に実施することで、製薬会社、患者、そして社会に貢献していく考えだ。