宇部マテリアルズ 「モスハイジ」を5%以上値上げ

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2019年6月4日

 宇部マテリアルズは3日、ファインマテリアル事業の主力製品である塩基性硫酸マグネシウム「モスハイジ」について7年ぶりに値上げを行うことを決定し、需要家との交渉を開始したと発表した。6月17日出荷分から「5%以上」値上げする。

 昨今の原燃料価格の上昇、とくに硫酸、灯油価格の高騰と、運賃などのコスト増に加えて、人員確保に伴う構内作業料の上昇により、採算が悪化している状況。同社は、こうした製造コストの大幅な増加は自助努力だけで吸収することが困難であり、今後の安定供給継続のためにも、価格改定をせざるを得ないと判断した。

 「モスハイジ」は、同社の水酸化マグネシウム製造技術をベースに水熱合成により製造しているウィスカ(針状結晶)で、主に自動車用樹脂の添加剤として使用されている。

 補強材として広く使われているタルク(滑石)と比較して約3分の1の添加量で剛性を維持できるため、自動車軽量化のニーズを背景に需要が拡大している。

 同社は国内唯一のメーカーとして、生産能力3000t/年を有している。