デンカの4-6月期 販売価格改定などで減収減益に

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2019年8月9日

 デンカが7日に発表した2020年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比3%減の909億円、営業利益は3%減の67億円、経常利益同21%減の64億円、純利益は19%減の50億円となった。

 球状アルミナやセラミックス回路基板、アセチレンブラックなど車両電動化関連製品の販売が好調に推移した。しかし、原材料価格の下落に応じた販売価格の改定、クロロプレンゴム(CR)や電子部品・半導体搬送用部材の高機能フィルム、半導体封止材向け溶融シリカフィラーの販売数量が減少したことなどにより減収となった。

 エラストマー・機能樹脂部門の売上高は7%減の394億円。原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となった。また、CRの販売数量は前年を下回った。インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は6%増の129億円。特殊混和材は出荷増と価格改定で増収となり、農業・土木用途向けのコルゲート管はおおむね堅調だった。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は微減の155億円。球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックの販売が好調に推移し、電子回路基板と高信頼性放熱プレート「アルシンク」、LED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」の販売が堅調に推移した。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は9%減の88億円。合繊かつら用原糸「トヨカロン」や食品包材用シート、デンカポリマーの加工品の販売が前年を下回った。

 ライフイノベーション部門の売上高は8%増の51億円。デンカ生研の試薬の販売数量が国内・輸出ともに増加し増収となった。その他部門の売上高は1%減の91億円。

 通期の業績予想は変更なく、売上高が前期比1%増の4150億円、営業利益は11%増の380億円、経常利益は10%増の360億円、純利益は8%増の270億円。第2四半期以降、車両電動化関連製品の好調が続く見通しで、これにインフルエンザワクチンや診断キットの収益寄与が加わることなどから、通期予想の営業利益380億円達成により、3期連続最高益更新を目指す。