DIC バイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発

, ,

2019年10月2日

 DICは1日、バイオベース原料で製造したバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発し、日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク(バイオマス度100%)」の認証を取得したと発表した。

 「バイオマスマーク」とは、生物由来の資源(バイオマス)を利活用し、品質と安全性が関連法規・基準・規格などに合致している環境商品に付与されるもの。可塑剤としての取得は、同協会の認証で初の事例となった。

 DICが開発したバイオベース可塑剤「ポリサイザー W‐1810‐BIO」は、再生可能資源である植物を原料とすることから、低炭素社会実現への貢献が期待される。安全性についても、塩ビ食品衛生協議会が定めるJHP規格の確認証明書を取得しており、食品接触材料への使用が可能だ。加えて、ポリエステル系可塑剤の特長である柔軟性・耐久性の点でも従来製品と同等の性能を持っている。

 可塑剤は、塩化ビニル樹脂(PVC)を中心とする熱可塑性樹脂に柔軟性を与えるとともに、最終製品の生産時に加工や成形をしやくする添加剤で、柔軟なPVC製品中には、数十%以上添加されることもある。

 主な用途は、食品用ラップフィルムや、食品工場やレストランなどで使用されるゴム手袋などの食品接触材料、自動車内装材、家電製品の電源ケーブル被覆材、衣類のテキスタイルインキなど、日常的に使用される各種製品から工業製品まで多岐にわたる。

 同社は現在、同製品のサンプルワークを開始しており、今後は量産化に向けてスケールアップを行う予定だ。