BASF 自動車用電池で革新的再生プロセスを開発へ

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2019年10月4日

 BASFとフランスのエラメット、スエズが立ち上げた、電気自動車用リチウムイオン電池のリサイクルプロジェクト「ReLieVe」に、470万ユーロが提供されることになった。出資するのはEUが設立・出資したコンソーシアムEITロウマテリアルズとプロジェクトメンバーの3社。

 このプロジェクトは電気自動車からリチウムイオン電池をリサイクルする、革新的なクローズド・ループ・プロセスを開発し、欧州で新しいリチウムイオン電池を生産することを目的としている。

 来年1月から2年間にわたり、使用済み電池の回収・解体から、新しい電極材料の製造に至るまでの革新的なプロセスの大規模開発、統合産業セクターの構築に向けた一連の活動を実施する。

 このようなバリューチェーンに沿ったコラボレーションにより、効率的かつ統合的なアプローチが可能になる。プロジェクトメンバーは各産業のリーディングカンパニーであるため、バリューチェーンでプロジェクトの推進にふさわしい立場にある。

 スエズは使用済み電池の回収と解体、エラメットはリサイクルプロセスの開発、BASFは正極材の製造を行う。パリ高等化学学校やノルウェー科学技術大学の研究者、諮問委員会の一員となる自動車業界からの支援も受ける。欧州で新たなリチウムイオン電池のリサイクル能力を開発することにより、今後数年で予測される同市場の急成長に対応する。

 また、エネルギー移行に向けて必要とされる、欧州での原料供給を確保することが可能になる。さらに、有益なリサイクルプロセスにより原料を節約し、持続可能なパフォーマンスという本質的な課題にも対応する。

 EITロウマテリアルズは世界の原材料セクターで最大のコンソーシアム。EUの機関であるEIT(欧州イノベーション技術機構)によって設立・出資され、イノベーション、教育、起業家精神を推進することで、バリューチェーンに沿って欧州の鉱物、金属、材料セクターの持続可能な競争力を確保することを目的としている。