JXTGエネルギー 新規カーシェアリングサービスの実証を開始

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2019年10月9日

 JXTGエネルギーはこのほど、広島県広島市で法人顧客を対象にしたデリバリー型カーシェアリングサービス(特許出願中)、「広島お届けカーシェア(仮称)」の実証実験を開始すると発表した。

 同実証を通じて、ユーザーニーズを把握するとともに、新たな交通サービスとして地域交通の利便性向上に貢献できるかを、社会性や経済性の観点から検証する。

 同サービスは、配送スタッフによる車両の「お届け・お引き取り機能」が付いた、業界初の「デリバリー型」カーシェアリングサービス。利用時間を平日の日中(午前9時から午後6時を予定)に設定し、乗車・降車場所を広島市の都心部(中区およびその周縁部)とするサービスを展開する。

 交通規則や道路事情などの条件を満たせば、オフィスの目の前など利用者が希望する場所での乗り降りが可能で、ビジネスシーンでの移動の効率化が期待できる。今月1日からモニター会員の募集を開始。車両台数を3台から100台まで順次拡大させ、来年度には有償サービスへの移行を目指す。

 また、来年度には「広島お届けカーシェア」で利用しない曜日や時間帯を対象に、通勤用(ワンウェイ方式)とプライベート用(ラウンドトリップ方式)の個人向けカーシェアサービスも展開する予定だ。

 例えば平日の朝、郊外に住む個人顧客が自宅近くの専用駐車場にあるシェアリング車両に乗車し、都心部の会社近くにある駐車場までの通勤に使う。日中は、その車両を法人顧客が「広島お届けカーシェア」として利用。夕刻は、再び同じ個人顧客が会社近くにある駐車場からの帰宅に使用する。さらに休日は、同一車両をプライベート用として、別の個人顧客が終日利用し、元の駐車場に返却する。

 1台のシェアリング車両を、3つのシーンに合わせて使い分けることで、多様な移動ニーズに対応させると同時に、稼働時間帯や曜日が偏りがちな、従来のカーシェアサービスが抱える課題を解決するシステム構築を図る。

 同社は2040年JXTGグループ長期ビジョンの中で、「地域サービスにおけるモビリティサービス事業の創出」を成長事業と位置づけており、クルマの消費形態の変化に対応する新たなモビリティサービスの開発により、地域社会の発展に貢献にしていく考えだ。