三菱ケミカルHDの4‐9月期 MMA市況の下落響き大幅減益

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2019年11月5日

 三菱ケミカルホールディングスは1日、2020年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績(IFRS)を発表した。

 機能部材は半導体と自動車用途を中心に需要が弱含む中、高機能成形材料の高機能エンプラなどの販売数量が減少し、ケミカルズはMMAモノマーなどの市況が下落、医薬品のロイヤリティ収入も減少し、上期業績は減収減益となった。売上収益は前年同期比3%減の1兆8277億円、コア営業利益30%減の1308億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益32%減の813億円。

 セグメント別に見ると、機能商品セグメントの売上収益は前年同期比267億円減の5489億円、コア営業利益は同52億円減の405億円。機能部材は、情電・ディスプレイの一部の製品と環境・生活ソリューションでは販売増となったが、半導体・自動車用途を中心に需要が弱含む中、高機能成形材料の高機能エンプラなどの販売数量が減少した。機能化学は、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンでの市況下落が響き、セグメント全体では減収減益となった。

 ケミカルズセグメントの売上収益は同852億円減の5637億円、コア営業利益は同460億円減の360億円。MMAの需要弱含みにより、MMAモノマーなどの市況が下落。石化ではエチレンセンターの定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加したものの、原料価格の下落などに伴い販売価格が低下した。炭素は輸出コークスの販売価格低下の影響を受けた。コア営業利益は、市況下落が響き減収となった。

 産業ガスセグメントの売上収益は同938億円増の4195億円、コア営業利益は同174億円増の443億円。前年下期に買収した欧州と米国事業の業績を取り込んだことにより、増収増益となった。ヘルスケアセグメントの売上収益は同240億円減の2053億円、コア営業利益は同245億円減の98億円。国内医療用医薬品は重点品を中心に増加したものの、ロイヤリティ収入の減少などにより、減収減益となった。

 なお、通期業績予想については、原料価格の下落に伴う販売価格の低下や市況悪化、需要減速などを見通し、下方修正を行った。売上収益は3兆7650億円、コア営業利益2500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1310億円を見込んでいる。