三菱ケミカル 米社のTPU事業買収、機能性樹脂を強化

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2019年11月27日

 三菱ケミカルは26日、米AdvanSource Biomaterials社(マサチューセッツ州:ASB社)のウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)事業を買収することを決定したと発表した。米国で機能性樹脂事業を展開する三菱ケミカルのグループ会社、Mitsubishi Chemical Performance Polymersを通じて、来年1月をめどに買収を完了する予定。

 ASB社は、米国でTPU事業を展開しており、同事業の製品は、主に心臓カテーテルなどの医療器具向けに使用され、米国市場で年々シェアを高めている。売上高は昨年度の実績で約300万ドル(約3億3千万円)。

 TPUの生体適合性・抗菌性・柔軟性といった特徴は心臓カテーテルのような体内に挿入する用途に不可欠であり、医療器具向けのTPU市場は、高齢化や人体への負担軽減ニーズ、医療器具の技術革新等の背景から今後も高い成長が見込まれている。

 三菱ケミカルの機能性樹脂事業はこれまで、M&Aなどにより様々なエラストマー製品群を獲得することで、世界各地に事業を拡大してきた。今回の買収により製品ポートフォリオをさらに拡充するとともに、米国での医療器具市場の材料認証と新たな販売チャネルを活用し、既存事業の拡大も加速していく。今後も機能性樹脂事業の強化を推進し、成長市場への事業展開を積極的に行っていく考えだ。