三菱ケミカルHD 企業価値算出方法をVBAに日本企業で初参画

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2019年12月10日

 三菱ケミカルホールディングス(HD)は9日、企業が環境・人・社会に与える影響を反映させた新たな企業価値算出手法の確立を目的に設立された「Value Balancing Alliance」(VBA)に日本企業として初めて参画すると発表した。

 VBAは、今年8月にBASF、ボッシュ、ノバルティスほか欧米韓の世界的企業8社によって設立された非営利団体。OECDや複数の監査法人と協力し、LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方を環境影響のみならず社会影響にも展開するなど、企業が環境・人・社会に与える影響を金額換算し、企業間で比較・分析できるようにする企業価値算出の手法と、それに基づく会計基準を今後3年かけて確立することを目指している。金額換算する例として、人材育成による人的資本形成への寄与や雇用、納税による社会への貢献などが挙げられる。

 三菱ケミカルHDは、12月からVBAのステアリングコミッティと企業価値算出の手法開発を担うチームに参画する。近年ESGの取り組みを中長期的な企業価値の評価要素とすることが定着化してきており、同社グループでは、社会価値と経済価値を持続的に両立させることで企業価値(KAITEKI価値)の向上を推進している。こうした中、VBAに参画することで ESG要素を内包したKAITEKI価値算出の高度化を図っていく。

 同社グループは、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を「KAITEKI」と表現し、この実現をビジョンとして企業活動を展開。今後もKAITEKI実現を目指した環境・社会課題解決への貢献や、適切な情報開示を通じた経営の透明性の向上に向けて取り組んでいく。