ランクセス ブラジル企業買収へ、バイオサイド事業強化

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2019年12月26日

 ランクセスはこのほど、ブラジルのItibanyl Produtos Especiais Ltda.社(IPEL社)を買収すると発表した。バイオサイド(工業製品の微生物汚染を防ぐ薬剤)の有効成分と製剤に関する、世界有数のメーカーとしてのポジションを強化するため。

 IPEL社は同国の大手バイオサイドメーカーで、2018年度の売上高は数千万ユーロになる。両社は11月28日付で買収に関する合意書に調印し、買収価格を公表しないことで合意している。事業譲渡は関係各国の独占禁止法規制当局の承認を経て、来年第1四半期までに完了する予定。

 ランクセスの物質保護剤ビジネスユニットは現在、欧州・米国・アジアに製造拠点を持っている。この買収により、グローバルのプレゼンスを強化するだけでなく、現地の製造拠点から南米の顧客にサービスを提供することができるようになる。ランクセスはIPEL社の約100人の従業員と製造設備に加え、研究施設を引き継ぐ。さらに、戦略的に重要な中間体製品への参入機会も得ることになる。

 IPEL社の売上高は、塗料・コーティング業界向けのバイオサイドと特殊化学品が大半を占めている。バイオサイドは微生物による汚染、あるいは微生物が原因となる劣化や腐敗から物質を保護するだけでなく、最終製品の製品寿命を延長し、その機能を維持する。同社の製品ポートフォリオは、水処理のプロセスコントロールにおける保存剤と防カビ剤、消毒剤、洗浄剤向けの有効成分を含んでいる。

 物質保護剤ビジネスユニットの製品群は、抗菌の有効成分や保存剤など非常に幅広い用途で、世界中のあらゆる場所で使われている。同ビジネスユニットは塗料・コーティング、消毒剤、木材保護、建設業界、飲料業界など、さまざまな産業分野の顧客ニーズに応じたソリューションのほか、総合的な技術サービス、規制対応サポート、プロジェクト型の研究・開発サービスも提供している。