《化学企業トップ年頭所感》昭和電工 森川宏平社長

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2020年1月7日

 2019年は2年連続で最高益を更新して構築した「しっかりとした今」を基盤に、「期待の持てる将来」を作り成長への道筋を描くための新しい中期経営計画「The TOP 2021」を開始したが、米中貿易摩擦や地政学リスクなどにより世界経済は想定以上に悪化し、非常に厳しい事業環境となった。2020年も世界経済の早急な回復は期待しにくく、厳しい状況が続くと予測される中、時代の変化に合わせて当社グループも適切かつ大きく変化していくことが求められている。

 2020年は、昭和電工グループが一流を目指して歩み始めた中期経営計画「The TOP 2021」の折り返し点である2年目にあたる。「The TOP 2021」では、2025年までに個性派事業の集団になり一流への第一歩に到達するために、変化すべきこと、実行すべきことを宣言している。

 一流になるためには変化を恐れてはいけない。なぜなら変化のない現状の延長線上には、昭和電工グループが目指す、人々の「こころ」を動かし、「社会」を動かす「一流」の昭和電工グループは存在しないからだ。また、「一流」とは収益への期待だけはなく、安全・安定操業、コンプライアンス遵守、社会貢献、従業員満足といったCSR(企業の社会的責任)を果たすことも求められる。高く険しい山だが、私たちはその頂上を目指して進んでいこう。

 「世界TOPクラスの機能性化学メーカー」をめざす2020年は、日立化成との統合という当社の長い歴史の中でも非常に大きな変化が起こる年だ。今回の決断により、全事業の半数以上を個性派事業にするという山の頂上のさらに先に、「世界TOPクラスの機能性化学メーカーになる」という、さらに高い山、「期待の持てる将来」が見えてきた。

 個性派事業の集団を実現して現在よりもレベルアップした「今」を示すため、一人ひとりが自分のすべきことを自ら宣言し、変化を恐れず強い意志と自信を持って「実行」していこう。