《化学企業トップ年頭所感》JSR エリック・ジョンソンCEO

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2020年1月8日

 2020年を迎え、JSRグループは「グローバル化のさらなる推進」「デジタル変革の推進」「CSRからサステナビリティ重視の経営への移行」といった、事業戦略全体に関わる課題により一層注力していく。

 日本を中心とした企業から、世界企業への移行を推進するに当たっては、各地域に適したアプローチを行いながら、世界中から最適なテクノロジー・プロセス・アイデア・市場・人材を取り込んでいけるよう、体制を整備していく。

 また、さまざまな地政学的変化を世界規模で理解し、対応することのできる体制の構築にも取り組む。日本にはすでに優れた体制があるが、米中を中心にさらに拡大していきたいと考えている。

 デジタル変革に関係する取り組みとしては、「最新のAI技術の理解・応用」「研究開発へのシミュレーション技術の実装」といった領域を、さらに加速させる予定だ。当社にはすでに量子コンピューターの活用を含め、マテリアルズ・インフォマティクスに取り組む多くの人材が存在しており、全事業におけるデータ分析の利用も進めている。今年は新たにデジタル専門部署を新設し、これらの活動を加速させていく。

 ステークホルダーに対して、長期的な価値を提供するという意味で、サステナビリティは重要なポイントだ。当社は製品開発では絶え間なくイノベーションを追求し、環境対応や適切な企業統治といった倫理的行動に注力するなど、サステナビリティに欠かせない多くの中核的要素をすでに保有している。

 これらは今後も弊社の社風として中核をなすものだが、今年はさらに、国連主導の持続可能な開発目標(SDGs)を事業に適切に取り込むため、CSR部門を強化し、全社を挙げてサステナビリティを意識した事業活動を推進していく。