【新年特集】昭和電工代表取締役社長  森川宏平氏

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2020年1月9日

市場変化に対応、世界有数のソリューションカンパニーに

━2019年を総括してください。

昭和電工森川社長 森川 2019年の世界経済は、IMFやWTOなどの経済指標が四半期ごとの発表のたびに下方修正が続いたように、年初の予想に比べて大幅に減速し、米中貿易摩擦や中国経済の影響が明確になった年だった。

 2019年初めに「今年は米中貿易摩擦や地政学リスクなど、空の遠くに黒い雲が見えはじめた。この雲がどうなるかが判明する1年間だ」と話したが、黒い雲は我々の頭上に達し、世界中で消費マインドを曇らせる厳しい年になった。ただ、本当に景気が悪化したのか、消費の弱含みだけなのかはまだわからない。

━2020年の見通しについて。

 森川 米国の大統領選挙を前に、表立った摩擦は落ち着くとしても、米中の覇権争いは5年10年続くと思ったほうが良い。2020年も世界経済の大きな回復は期待しにくい状態にあると言える。特に自動車市場は回復が見えておらず、関連素材も厳しい状況が継続するだろう。当社としても、先行きの不透明感が強まる中、施策などに変更が出る可能性は否定できない。

 しかし、現在の中期経営計画でビジョンとして掲げた「2025年までに当社の事業の半数以上を個性派事業に育成する」という方針に変更はない。昨年末に発表した日立化成との統合に関しては、シナジー効果を最大限発揮できるよう、1年くらいかけて新しい中期経営計画を策定していく考えだ。

━景気がダウントレンドになる中、戦略での「攻め」と「守り」のバランスについて。

 森川 厳しさを増す事業環境下では、市場の要求やトレンドをいかに素早く正確に把握するかが重要になってくる。当社では

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