三菱ガス化学 台湾で超純過水の一貫生産体制を構築へ

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2020年2月19日

 三菱ガス化学はこのほど、半導体の製造工程で使用される超純過酸化水素(超純過水)事業のさらなる伸長を目指し、台湾子会社での工業用過酸化水素(工薬過水)製造設備の建設を決定したと発表した。

 超純過水は、主に半導体の製造工程で、洗浄・エッチング・研磨剤として使用される。今後、5GやIoT、クラウド、AIなどの進展による用途拡大により、半導体需要は長期的に伸長していくことが見込まれ、半導体の微細化に伴い、より高品質で大量の超純過水需要が高まっている。

 同社グループは、国内の3拠点(四日市、山北、佐賀)、海外7拠点(韓国2工場、米国3工場、シンガポール、台湾)に超純過水製造設備を構え、世界最高レベルの品質とそれを保証する分析・品質保証体制を持っている。世界トップシェアのリーディングカンパニーとして、これまで多くの顧客と取引を拡大してきた。

 また、超純過水に加え、半導体製造工程で使用される各種電子工業用機能性薬液も事業展開しており、いずれも高い支持を受けている。

 台湾では巨大半導体工場の建設が相次いで進み、今後も大型投資が予定されており、高品質な超純過水の需要が急増している。これらの需要に応え、供給安定性・高品質・コスト競争力を伴った超純過水の製造販売を実現し事業拡大を推進するため、工薬過水製造設備を建設し、稼働中の超純過水設備へ、原料となる工薬過水(原料過水)を供給することで、原料過水から超純過水までの現地一貫生産体制を実現する。

 同社グループは今回の供給体制強化を行うことで、今後も全世界的に、また長期にわたり続くと予想される半導体産業の成長に貢献するとともに、超純過水、電子工業用機能性薬液をはじめとする半導体製造に不可欠な材料供給のリーディングカンパニーとして、さらなる発展を目指していく考えだ。