三菱ケミカル 欧州エンプラリサイクル会社を2月末に買収

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2020年2月27日

 三菱ケミカルは26日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、スイスにあるエンジニアリングプラスチック(エンプラ)のリサイクル会社であるMinger KunststofftechnikとMinger Plastic(総称してMingerグループ)を、グループ会社であるスイスのMitsubishi Chemical Advanced Materials(MCAM)を通して買収することを決定したと発表した。

 なお、今回の買収は、株式取得ではなく、製造設備などの資産譲渡と、営業権その他一切の権利義務の承継を行う方式を採用し、2月末をめどに完了する予定となっている。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミーをKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけており、プラスチックのリサイクルはその重要な取り組みの1つと捉えている。

 Mingerグループは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロンなどのエンプラについて独自の優れたリサイクル技術を保有。また、欧州域内に広域な原料回収ネットワークを構築し、リサイクル材の取引ではすでに100を超える顧客と実績があり、欧州でのエンプラリサイクルのビジネスモデルを確立している。

 今回の買収により、三菱ケミカルは、エンプラの製造から販売・加工・回収・再利用に至る一貫したビジネスモデルを構築することになる。今後もエンプラ業界のフロントランナーとしてユーザーへのソリューション提案力を強化し続けるとともに、循環型社会の実現に向けて貢献していく。