NEDO 南アフリカ共和国で低環境負荷型海水淡水化システムを実証

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2020年3月13日

 NEDOと日立製作所はこのほど、南アフリカ共和国ダーバン市で海水淡水化・水再利用統合システムの実証運転を開始したと発表した。

 実証事業では、NEDOの国内実証事業で確立した同システム「RemixWater」を基に、排水(下水を再生処理する過程で排出される水)を用いて海水を希釈し塩分濃度を下げることで、従来の海水淡水化システムで必要だった高圧ポンプ(6~7MPa)を中圧ポンプ(3~4MPa)に置き換え、日量6250tの飲料水を生産可能な実証設備を構築し、従来比30%以上の消費電力削減を目指す。

 また、海水淡水化については、塩分濃度が高い濃縮海水の排出による周辺海洋環境への影響が問題となっているが、同事業で実証するシステムでは希釈した海水を淡水化することにより排水の塩分濃度を海水と同程度とし、海洋環境への負荷低減につなげる。

 NEDOでは将来的に、深刻な水不足に直面している南アフリカをはじめ、水不足が深刻な地域への同技術の普及を含めた水インフラ整備や産業発展への貢献につなげていく。

 日立は同様に、実証事業を契機として、水資源が不足する国・地域に対して同システムをはじめとする先進の水環境ソリューションの提案を進め、引き続き水インフラの整備や課題解決に取り組み、SDGsの達成に寄与していく考えだ。