大日本住友 非定型抗精神病薬の国内製造販売承認を取得

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2020年4月9日

 大日本住友製薬はこのほど、非定型抗精神病薬「ラツーダ錠」(一般名:ルラシドン塩酸塩)について、3月25日付で、「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、国内での製造販売承認を取得したと発表した。同剤の発売は薬価収載後を予定。

 同社は、統合失調症患者を対象とした国際共同フェーズⅢ試験、継続長期試験、双極Ⅰ型障害うつ患者を対象とした国際共同フェーズⅢ試験などの結果を基に、昨年7月に国内の製造販売承認申請を行った。同剤は医薬品事前評価相談実施品目であり、通常よりも短い約8ヵ月の審査期間で承認を取得した。

 同剤は、同社が創製した独自の化学構造を持つ非定型抗精神病薬。2010年に米国で成人の統合失調症に係る効能・効果で承認されて以降、今年3月現在、統合失調症に係る効能・効果では欧米を含む47の国・地域で承認されており、双極Ⅰ型障害うつに係る効能・効果では米国を含む7つの国・地域で承認されている。同剤は海外のガイドラインで体重増加リスクが低いとされる抗精神病薬であり、双極性障害のうつ症状では第1選択薬の1つとして推奨されるなど、治療選択肢が少ない当該治療に貢献している。

 同社は、今回の承認取得により、統合失調症および双極性障害でのうつ症状の新たな治療選択肢を提供することで、国内の両疾患治療に貢献できるものと期待している。