旭化成 水力発電設備の改修向けにグリーンボンドを発行

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2020年5月12日

 旭化成は11日、国内市場での公募形式によるグリーンボンド(無担保普通社債)の発行を予定していると発表した。なおグリーンボンドは、発行年限5年、発行額は100億円となっている。今年6月以降に発行し、同社が所有する水力発電設備の改修工事の資金にする計画だ。

 同社グループは、「健康で快適な生活」「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョンとして掲げ、自然環境や地域社会との調和を図りながら事業活動を行ってきた。

 2019年度からの3カ年の中期経営計画「Cs+(シーズプラス)for Tomorrow 2021」では、「サステナビリティ」を経営の重点要素と位置づけ、Care for Earthのキーワードの下、さらに取り組みを加速している。

 その中で、再生可能エネルギーの長期的な活用に向け、宮崎県延岡地区の工場群に電力を供給している水力発電所設備の更新と能力向上を実施。再生可能エネルギーは地球環境改善に資するものであることから、地球環境に対する同社の姿勢をより明確に示すために、今回、工事資金をグリーンボンドの発行により調達し工事を推進することとした。

 グリーンボンドは、同社が所有する五ヶ瀬川発電所と馬見原発電所の2カ所の水力発電所の改修工事費用を対象としている。同社は現在、大正時代に建設した水力発電所による電気を延岡地区の工場群へ送電し、事業活動に活用。今回の改修工事は、老朽化と耐震性の点から、寿命が到来しつつある水力発電設備を更新し、あわせて高効率化することにより、今後数十年から100年にわたる、再生可能エネルギーのさらなる利用を実現する。

 同社はこれからもクリーンなエネルギーの積極的活用を継続することで、自然環境に配慮した事業活動を行い、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。