コベストロ サーキュラーエコノミーへの移行を加速

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2020年6月25日

 独コベストロは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を持続可能な世界のモデルにするため、総力を挙げて取り組んでいる。

 素材メーカーとして製造・製品レベルだけでなく、サプライチェーン全体にサーキュラリティ(循環性)というコンセプトを取り入れ、様々な計画やプロジェクトによって段階的に実現していく方針だ。特に化学・プラスチック産業でのサーキュラーエコノミーへの移行を加速させ、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするような経済の実現を目指す。

 同社は、2019年から全社を挙げた戦略プログラムを進め、「代替原料」「革新的なリサイクル」「共通のソリューション」「再生可能エネルギー」の4分野に注力。全世界の生産設備で代替原料や再生可能エネルギーの利用を計画し、20以上のプロジェクトでリサイクル向上の方法を研究している。さらに、価値を創出するすべてのサイクルについて、パートナーと協力し新たなビジネス関係の構築を図っている。

 代替原料では、バイオベース原料の自動車・家具用塗料への応用、CO2由来素材のマットレス、スポーツグラウンド、繊維への使用がある。リサイクルでは、特にケミカルリサイクルに大きなポテンシャルがあるとし、プラスチックの分子レベルでの変換・再利用の研究を推進。社会共通のソリューションでは、業界を超えたコラボレーション、ブロックチェーン技術によるサプライチェーンの透明化や、廃棄プラ削減の国際アライアンス「AEPW」の一員としての使用済みプラの処分方法の啓蒙、などを行っている。再生可能エネルギーについても、ドイツ国内プラントの消費電力の大部分を、2025年よりデンマーク・オーステッド社の風力発電所から調達する予定だ。

 マーカス・スタイレマンCEOは、「プラスチックを地球環境に流出させてはならない。プラスチックは捨ててしまうにはもったいなく、高い価値がある。再生可能資源として利用可能であると理解した上で使用する必要がある」と強調した。