カネカ 培養脂肪幹細胞による乳房再建治療を開始

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2020年8月4日

 カネカはこのほど、グループ会社バイオマスター(横浜市)が運営するセルポートクリニック横浜(横浜市)が培養脂肪幹細胞を使う乳房再建治療「培養CAL」を開始したと発表した。患者自身の脂肪由来幹細胞を用いる、生着率の高い医療技術だ。同治療の開始に際し、大阪大学の特定認定再生医療等委員会で審査された治療計画は、厚生労働省関東信越厚生局に受理されている。

 「培養CAL」は、患者から事前に少量採取した脂肪中の幹細胞を培養し、移植用の脂肪に加えて移植する。脂肪の採取量は従来の「CAL」より少ないため、「CAL」による治療ができなかった体脂肪の少ない患者にも治療が可能。「培養CAL」により乳房再建の選択肢を広げることで、乳がん患者の生活の質の向上に貢献する。

 セルポートクリニック横浜は2006年の開院以降、東京大学と共同開発した「CAL」による乳がん治療後の治療を提供してきた。今後は臨床研究の結果を踏まえ、乳がん術後の乳房再建のほか顔の変性疾患や豊胸などにも応用し、軟部組織再建の新しい治療を提供していく考えだ。