NUC 絶縁用架橋PE設備を新設、7月から生産開始

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2020年9月29日

 NUCは28日、超高電圧・高電圧直流(HVDC)電力ケーブルの絶縁用途に使用される架橋ポリエチレン(PE)の新規生産設備が完成し、7月から商用生産を開始したと発表した。

 再生可能エネルギーが世界で急速に普及し、また欧州を筆頭に国際送電ネットワークが進展する中、送電容量の増加および効率化による送電時のエネルギーロスの低減が求められている。この要求を満たすHVDC電力ケーブルが多く開発・採用され始め、絶縁材料である架橋PEの需要も急増している。

 NUCは超高圧・高圧電力ケーブル用製品として、電気特性に優れクリーン度が極めて高い架橋PEの世界的なメーカーとして市場から高い評価を得ている。これまでの交流電力ケーブル用製品に加え、需要が急増するHVDC電力ケーブル用製品を新たに開発し、最新設備で生産したHVDC新商品をラインアップに加えた。これにより、世界の電線材料市場でトップクラスのマーケットプレゼンスがより確固たるものになり、さらに、国内PE市場の電線材料分野での販売シェア拡大が期待される。

 新製品は、直流用として重要な空間電荷特性に優れ、交流用以上に高い電気抵抗をもつ。その結果、VSC/LCC方式などの直流送電方式によらず使用できる。また、従来の国内・国際規格ケーブル規格に合わせた設計であり、さらに、交流電力ケーブルと同じ生産設備でHVDC電力ケーブルを生産できるなど電線製造性も配慮し工夫を施している。これら優れた特性により、幅広いHVDC電力ケーブルに適用することが可能だ。

 今回の新生産設備は、これまでに培った技術をさらに進歩させクリーン度を高いレベルで管理することが可能。厳しい品質を要求される±525㎸級のHVDC電力ケーブル絶縁用架橋PEを生産することができ、将来のさらなる高電圧化に対応することも期待される。