三菱ガス化学の4-9月期 減収減益も経常利益は上振れ

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2020年11月10日

 三菱ガス化学は5日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績(日本基準)の決算説明を行った。売上高は前年同期比12%減の2666億円、営業利益は10%減の144億円、経常利益は42%増の165億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は75%増の143億円だった。自動車向け需要減退で樹脂製品などの数量減と汎用製品の市況下落などで減収だが、光学樹脂ポリマーや電子材料の数量増と原燃料安、販売費と一般管理費の減少で減益幅は対予想比で減少し、加えてサウジアラビア合弁事業での一過性費用78億円の剥落などで経常利益は増益だった。

 今期からの新セグメント別では、基礎化学品は売上高23%減の1376億円、営業利益93%減の4億円だった。メタノールは市況下落で減収、メタノール・アンモニア系化学品は原料価格が低下するもMMA系製品の市況下落と修繕費増加で減益。特殊芳香族化学品は住宅関連用途の需要減で減益となり、汎用芳香族化学品も販売数量減少・販売価格下落で減収減益。発泡プラスチック事業は食品・土木分野で需要増加したが自動車分野の需要減少などで減収減益となった。

 機能化学品は売上高1%減の1238億円、営業利益52%増の153億円だった。無機化学品は半導体向け薬液の数量増加で前年同期を上回る損益。エンジニアリングプラスチックスは自動車向け需要減退とPCの市況下落で減収減益。光学材料はスマートフォン用カメラレンズの複眼化と昨年の生産能力増強で光学樹脂ポリマーの数量増加で増収増益し、電子材料もICT関連需要や5G対応スマートフォン用アンテナ・イン・パッケージ基板の立ち上がりなどの半導体パッケージ用BT材料の数量増加で増収増益となった。

 通期業績予想は前回予想に対して、売上高は全般的な販売見通しを下げ100億円減の5500億円、営業利益は同額、経常利益は持分法損益40億円増を見込み310億円とした。

 藤井社長は次期中期経営計画にも触れ「チャレンジングなターゲットが具体化されつつある。ポートフォリオ改革を目指し高機能・高付加価値にシフトする。コロナ禍においても投資スピードは下げておらず、今後は今以上の投資を目指す」と結んだ。