クレハの4-9月期 PGAなどの販売減少で減収減益

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2020年11月11日

 クレハは10日、2020年度第2四半期(4-9月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比5%減の660億円、営業利益40%減の62億円、純利益42%減の48億円の減収減益だった。また、同社が最も重視する本業の業績を示すセグメント別営業利益は29%減(26億円減)の63億円だった。

 新型コロナウイルス感染症の影響による同社への生産・販売体制への影響は軽微であったが、自動車産業、シェールオイル・ガス産業を主とする機能製品事業の販売に弱さが見られた。

 同日開催された決算会見の中で、小林豊社長は「2020年度のセグメント別営業利益のマイナスのうち、14億円は米国PGA製造会社の会計上の処理によるもので、本業による利益は原料費や営業活動コストなどの減少により実質12億円の減益に留まった」と総括した。

 セグメント別では、機能製品は、減収営業損失となった。PVDF樹脂が増益となるも、PPSやPGA樹脂加工品、炭素製品が減益となった。樹脂製品は、減収・利益は前年並み。業務用包装材が減益となったが、釣糸の増益がカバーした。化学製品は減収減益。医薬・農薬が増益とったが、工業薬品が不調だった。建設関連は増収増益。公共工事増加で増収となったが、利益は前年並みに留まった。その他関連は、増収増益。産業廃棄物処理などの環境事業が増加した。

 なお同日、未定としていた通期業績予想を発表。売上収益3%減の1380億円、営業利益20%減の145億円、純利益16%減の115億円を見込んでいる。第3四半期以降は段階的に業績が回復することを織り込んだ。

 一方、設備投資については、PPSの増強が来年2月に稼働し、PVDFもモノマー増強が進行している。PGA事業に関して小林社長は「プラグの価格戦略を見直し、市場シェアをとり、工場稼働率を上げて固定費削減を目指す。プラグ市場も北米市場に注力し、全プラグの3分の1のシェアを確保する」との方針を示した。