【カーボンリサイクル特集】昭和電工 KPR事業

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2020年11月21日

川崎事業所企画統括プラスチックケミカルリサイクル推進室長  栗山常吉氏

使用済みプラスチックから水素、液化炭酸ガス、アンモニアを製造

 ━川崎市で展開する使用済みプラスチックの原料化事業である、KPRを始めた経緯をお聞かせください。

プラスチックケミカルリサイクル推進室 栗山室長

 昭和電工がアンモニアの生産を開始したのが昭和6年。原料の水素は、最初は水の電気分解によって製造した。次にナフサや原油などの液体燃料に、その後オフガスへと切り替わり、今は都市ガスを利用している。80年来、原料探索を続け、時代に即したよりよい原料を利用してきた。容器包装リサイクル法(容リ法)の制定を機に廃棄物使用の調査・検討を始める中、宇部興産と荏原製作所が開発した使用済みプラスチック(使用済みプラ)から合成ガスを製造するEUP(荏原宇部プロセス)に出会った。ライセンスを受けて、川崎市が推進する「川崎エコタウン事業」の一環としてKPR(川崎プラスチックリサイクル)をスタートした。

 ━EUP技術について。

 使用済みプラに少量の酸素と蒸気を加え、高温高圧状態でガス化し水素と一酸化炭素の合成ガスを製造する技術だ。荏原製作所の低温ガス化技術と宇部興産の高温ガス化技術を統合し、宇部興産が完成させた。

 ━KPRプラントについて。

 当社は、川崎事業所に処理能力年6.4万tのプラントを建設し、2003年から本格稼働させた。後に年7.5万t(1日あたり約200tに増強している。工程では、

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