デンカ 50年カーボンニュートラル目指し環境経営強化

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2020年12月1日

 デンカはこのほど、10月に日本政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言したことを受け、世界が直面する課題に対し社会的責務を果たすため、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すと発表した。

 製品のトータルライフサイクルまで視野に入れ、具体的には、①水力を中心とした再生可能エネルギー比率の拡大②CO2の回収・固定化・有効利用を図る革新技術(CCUS)の開発と実装展開③自社の特色を生かした環境貢献製品や環境負荷低減技術の開発・提供④プラスチックを資源として循環利用するケミカルリサイクル技術の実装展開―の4つの取り組みを加速していく考えだ。

 2016年のパリ協定発効後、世界では今世紀後半までにGHG(温室効果ガス)の排出量を実質ゼロまで削減すための対応が本格化する中、デンカは多くのエネルギーを消費する化学メーカーとして、2050年度までにGHGの実質排出量85%削減(2013年度比)を目指し、水力発電所の増設や、国内主力工場への高効率ガスタービン発電機の導入などを進めて自社の排出量削減に努めるとともに、社会全体の環境負荷低減に貢献する製品・サービスの提供・開発を推進してきた。

 今回、日本政府の方針が、これまでの「低炭素」から「脱炭素・カーボンニュートラル」へ大きく舵を切ったことを契機に、今後はカーボンニュートラルへの取り組みをさらに加速させ、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づき、カーボンニュートラル実現に向けた進捗について積極的に情報開示を進めるなど、環境経営を強化していく。