三菱ケミカル シリコーンゴムフィルムの高耐熱グレードを開発

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2020年12月2日

 三菱ケミカルは1日、シリコーンゴムフィルム「珪樹」について、従来グレードよりも耐熱性を高めた新グレードを開発したと発表した。幕張メッセで開催される「高機能フィルム展」(2~4日)で正式に紹介する予定。

シリコーンゴムフィルム
シリコーンゴムフィルム

 「珪樹」は、独自の加工技術により生まれたフィルム状のシリコーンゴムで、薄膜かつ膜厚精度が高いという特徴をもつ。加えて、ポリエステルフィルムをはじめ異種材料との積層や表面加工が可能であり、産業機器向け部材や工程部材として長年にわたり顧客から評価を得ている。

 今回開発した高耐熱グレードは、近年の各種電子機器の小型集積化や熱マネジメントの要求に伴い、高温プロセスを検討している顧客のニーズに対応した新グレード。耐熱性を高めたシリコーンゴムと耐熱基材の2層構造であり、総厚50~500㎛の極薄ながら300℃環境下で繰り返し使用することができる。シリコーンゴムの特徴である緩衝性、離型性は生かしつつ、耐熱基材をもつことでハンドリング性の向上や応力下の横ずれ防止効果が期待でき、従来グレードと同様に顧客の要望に応じて厚さやゴム硬度の調整も対応可能だ。

 同社は今後も、ますます多様化・高度化する顧客ニーズに応じるために、シリコーンゴムフィルムの研究開発を一層推進し、ラインアップの拡充に努めていく考えだ。