昭和電工マテリアルズ 半導体材料を台湾で増強、韓国では新設

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2020年12月14日

 昭和電工マテリアルズはこのほど、台湾子会社(SDSMT)で半導体回路平坦化用研磨材料(CMPスラリー)、プリント配線板用積層材料(プリプレグ)および感光性ソルダーレジストの生産能力を増強するとともに、韓国子会社(SDMKR)にCMPスラリーの工場を新設すると発表した。総投資額は約200億円。SDSMTでは、CMPスラリーを2022年1月に、プリプレグと感光性ソルダーレジストを2023年1月に、それぞれ量産を開始し、SDMKRの新工場は来年10月に稼働する予定だ。

CMPスラリー
CMPスラリー

 近年、5Gの実用化や、自動車産業ではCASE分野での技術革新が進み、半導体市場は年率5%超の高成長が期待されている。同社のセリア系スラリーは、独自の砥粒技術により、研磨傷の低減を実現できる点が評価されており、SDSMTの能力増強とSDMKRでの工場新設に計110億円を投資し製品供給体制を強化する。

プリント配線板用高機能積層材料(プリプレグ)
プリント配線板用高機能積層材料(プリプレグ)

 プリプレグについては、SDSMTで今年5月に工場を新設したが、さらなる需要に対応するため生産能力を増強。さらに感光性ソルダーレジストについても、これまで日本国内でのみ生産していたが、今回SDSMTへ液状ソルダーレジスト(LSR)およびフィルム状ソルダーレジスト(DFSR)の生産設備を新たに導入する。

感光性ソルダーレジスト
感光性ソルダーレジスト

 SDSMTでは、これら3製品の生産能力を増強することで、中華圏や東南アジア圏、韓国などの顧客へ、よりタイムリーに製品供給できるとともに、他の生産拠点で緊急事態が発生した際でも、台湾から世界の顧客へ製品提供が可能になる。

 同社は、5GやAI、CASE分野での技術革新に貢献する製品の供給体制を強化することで、情報通信分野で、半導体市場の伸びを上回る成長を目指す。また、今後も昭和電工グループの一員として、引き続き多様な材料の提供と、素材設計から機能評価までの包括的ソリューションの提案によって高度な顧客ニーズに応えるワンストップ型の先端材料パートナーを目指していく。