帝人ファーマ 中国企業と業務提携、新薬の創出を加速

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2020年12月21日

 帝人ファーマは18日、中国・トランスセラ社(南京市)と、新薬開発のための共同研究およびライセンスの契約を締結したと発表した。

 帝人グループは、持続可能な社会の実現に向けて、「少子高齢化・健康志向」の領域でソリューション提供を推進。その柱の1つとして新薬の上市を位置づけており、外部との提携の枠組みを生かすことで、革新的な新薬の創出と、グローバルでの価値最大化を目指している。

 一方、2014年に設立された創薬ベンチャー企業のトランスセラ社は、低分子新薬の創製と開発に焦点を当てている。腫瘍や免疫、炎症などの領域を中心として、グローバルに通用する高い研究開発力をもち、2019年には、「中国化学薬品研究開発力100強」と「南京市育成ユニコーン企業」に選ばれた。

 両社は、帝人ファーマが見出だした化合物群から、新薬開発の候補となる化合物を早期に取得することを当面の目標として、創薬に向けた共同プロジェクトチームを組織。日・中両国での研究成果を共有しながら、共同研究を進めていく。また、将来的に化合物が開発段階に至れば、グローバルでの開発ライセンスを両社で共有し、日・中両国をはじめ、世界各国での新薬の開発や上市を目指す。

 今回の業務提携は、両社が「革新的な新薬をいち早く世界中の患者に提供したい」という考えで一致したこと、新薬創出の期間短縮や確度向上に向けて、低分子創薬の分野で相互に研究基盤の強みを補完し合えると確信したことから成立に至った。両社は、患者のQOL向上に役立つ新薬をいち早く提供するために協力していく考えだ。