ちとせ 北杜市と循環型社会を目指し包括連携協定締結

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2021年1月15日

 バイオベンチャー企業群のちとせグループはこのほど、山梨県北杜市との間で、同市の地域資源を活用した「循環型社会の実現」に向けた包括連携協定を締結したと発表した。同協定に基づき、北杜市の地域資源を活用した持続的で高品質な農業の推進やヘルスケアの向上に、ちとせグループがもつバイオの知見と技術を生かすことで、同市での循環型社会の構築を目指していく。

ちとせグループの藤田朋宏CEO(右)と北杜市の上村英司市長
ちとせグループの藤田朋宏CEO(右)と北杜市の上村英司市長

 北杜市は、全国有数の日照時間の長さ、ミネラルを多く含む水、豊かな土壌などの自然環境に恵まれており、米や農産物などの地域資源による地産地消の促進や、市民の健康向上をはじめとした様々な取り組みを行っている。また、昨年12月に就任した上村英司市長の下では、「北杜新時代・幸せ実感・チャレンジ北杜」をスローガンに新たな施策を進めている。

 一方、ちとせグループは、千年先まで続く豊かな世界の実現への貢献を目指し、化石資源中心の消費型社会からバイオマス資源基点の循環型社会に近づけるための研究開発や事業開発を推進している。微生物、藻類、動物細胞などの〝小さな生き物〟を活用する技術に強みをもち、国内のみならず、マレーシア、シンガポールなどの東南アジアで農業や食品、エネルギーなどの幅広い分野で事業を展開。その一環として、昨年には日本での「千年農業」を開始し、農地の生態系を維持することで、美味しく栄養価が高い作物を持続的に作り続ける農業を広げる活動を行っている。

 両者はこれまで、北杜市内で生産された野菜を、ちとせグループが東南アジア市場へ紹介する取り組みを行うなど、同市の生産者との5年以上にわたる交流を通じて関係を構築してきた。今後は同協定の下、農業をはじめヘルスケアの分野でも連携を強めていく考えだ。

「千年農業」で持続可能な農業を推進し、地域を活性化
「千年農業」で持続可能な農業を推進し、地域を活性化

 具体的には、同市で「千年農業」を広げることで、①豊かな農地を守りながら基幹産業である農業を活性化②「水の山循環農法」の確立③学校給食を通じた農畜産物の地産地消の推進④同市の豊かな環境や魅力を再認識し、子どもたちが一生涯暮らし続けたいと思う心を育む活動⑤データ駆動型のヘルスケアプロジェクトの展開⑥地域企業との協働による循環型経済圏の構築⑦持続可能な開発目標(SDGs)に定める「すべての人に健康と福祉を」「陸の豊かさを守ろう」の達成に向けた取り組みなどを行っていく。