三菱ケミカル バイオエンプラに塗装不要なメタリックカラー

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2021年2月8日

 三菱ケミカルはこのほど、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」において、塗装工程が不要なメタリックカラーをグレードラインナップに追加したと発表した。すでに、ダイハツの「ロッキー」など複数車種の内装材に採用が進んでいる。

ロッキー(画像提供 ダイハツ工業株式会社)
ロッキー(画像提供 ダイハツ工業)

 「DURABIO」は、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐熱性・耐候性などの点で従来の一般的なエンプラよりも優れた物性をもつ。また、発色性が良く、顔料を配合するだけでつややかで光沢のある表面を作ることができる。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくい特長があるため、塗装・コーティング工程が不要となり、製造時に塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減できる。これらの特性を活かし、自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいる。加えて、「DURABIO」は、表面に付着した菌が残りづらい物性も持つことから、新しい生活様式においても需要の増加が期待される。

 今回採用されたメタリックカラーの部品は、「DURABIO」の透明性を活かし、顔料による着色のみで高輝度で高級感のある風合いを表現し、従来比でVOC低減および加工時間短縮を実現。高輝度かつ色ムラを低減するための塗装工程が不要となっている。

 同社は今後も、「DURABIO」の研究開発を加速させ、環境に優しいクルマづくりに貢献していく考えだ。