宇部興産など、舶用アンモニア燃料供給と拠点整備に合意

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2021年3月15日

 宇部興産はこのほど、日本国内での舶用アンモニア燃料の供給および供給拠点の整備について、共同開発することに合意したと発表した。なお、合意した各社は、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、上野トランステックの3社。

 世界的に脱炭素化の気運が高まる中、海運では、国際海事機関(IMO)が温室効果ガス(GHG)削減戦略の中で、2030年までに2008年比40%効率改善、2050年までに同50%総量削減、さらには今世紀中できるだけ早期にGHG排出フェーズアウト(ゼロ・エミッション)を掲げている。

 これらの目標達成に向け、ゼロ・エミッション船を目指した船舶の早期開発が期待され、代替燃料の候補としてアンモニアが各方面で注目を集めている。アンモニアを主燃料とする船舶の開発を具体化するためには、舶用アンモニア燃料の安定供給と供給拠点の整備が必要不可欠。宇部興産は、国内最大手のアンモニア生産者としての知見を生かし、今回の共同開発では燃料供給および供給に必要な陸上設備の検討を担当する。

 同社グループは「環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までにGHG排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画では、基本方針の一つに「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げており、さらなるGHG排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいく考えだ。