コベストロの12月期 需要回復で下半期業績が大幅改善

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2021年3月16日

 コベストロの2020年12月期の連結決算は、売上高が前年同期比14%減の107億1000万ユーロ、EBITDAは同8%減の14億7000万ユーロ、純利益は同17%減の4億6000万ユーロとなった。主要製品の販売量は、10-12月期は好調だったが、1-6月期のコロナによる落ち込みをカバーできず同6%減となっている。ただ、コスト削減策に注力し、EBITDAは15億ユーロを確保した。

 セグメント別にみると、ポリウレタン事業は、売上高13%減の50億ユーロ、EBITDA4%減の6億3000万ユーロ。コロナ禍により1-6月期の需要が大きく落ち込み、7-12月期に需要が急回復したものの減収減益となった。主要製品の販売量は6%減少している。

 ポリカーボネート事業は売上高14%減の30億ユーロ、EBITDA3%増の5億5000万ユーロ。ポリウレタンと同様に上半期の落ち込みが響き減収となったが、原材料価格の低下とコスト削減が寄与し増益となった。主要製品の販売量は3%減少している。

 塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業は、売上高14%減の20億ユーロ、EBITDA27%減の3億4000万ユーロ。販売量の減少と販売価格の低下により減収となり、利益率の低下とDSMからレジンズ&ファンクショナルマテリアルズ(RFM)事業買収に伴う支出が発生し減益となった。主要製品の販売量は9%減少している。

 なお、2021年度の業績予想については、EBITDA17億~22億ユーロの増益を見込む。主要製品の販売量の成長率を10~15%としたが、このうち6%はRFM事業買収に伴う販売量の増加を織り込んでいる。