ユニチカ PA6T/PA66代替のバイオマスPA開発

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2021年3月23日

 ユニチカはこのほど、世界的に供給不足が続く6Tナイロン(PA6T)や66ナイロン(PA66)を代替できるナイロン樹脂「ゼコットAG310A-64」「ゼコットAG310A-67」「ナノコンM2090」シリーズの販売を開始したと発表した。

 自動車や電子部品などに使用されているPA6T、PA66の世界的な供給不足が続くが、その原因は主成分の1つであるヘキサメチレンジアミンの原料アジポニトリルの自然災害などの影響による供給不安定にあり、解消には数年はかかると見込まれている。

 このような中、ヘキサメチレンジアミンを使わずにPA6TとPA66を代替できるナイロン樹脂を、ポリアミド合成技術とバイオマス素材の利用技術の組み合せにより開発した。融点315℃の高耐熱性ホモポリマー ポリアミド10T「ゼコット」をベースに独自のコンパウンド技術により、PA6Tとほぼ同等物性で耐摩耗性が大幅に上回る「AG310A-64」シリーズを、また、ガラス繊維強化PA66とほぼ同等の物性の「AG310A-67」シリーズを開発した。

 「ナノコンM2090シリーズ」はPA6にクレイをナノメートルサイズで分散させた「ナノコン」をベースに、独自のコンパウンド技術で非強化PA66とほぼ同等の物性を実現した。いずれもPA6T、PA66の供給不足への対策に貢献できるとともに、植物由来であることから環境負荷低減への貢献が期待できる。