帝人フロンティア 快適で安全な医療用ガウンの共同開発を開始

, ,

2021年3月24日

 帝人フロンティアはこのほど、東京医科歯科大学との協働により、コロナ医療に従事する人々の負担軽減に貢献するため、快適で安全な医療用ガウンを共同開発すると発表した。同大医学部附属病院(東京都文京区)の医療従事者の声を反映して試作品を企画・製作、着用試験の評価をもとにさらに改良を加え早期開発と販売を目指す。

着用試験に使用する医療用ガウン

 両者は先月15日から、同病院でコロナ感染症の診療にあたる医師や看護師などを対象に試作品の着用試験を実施。試作品は、同病院材料部の久保田英雄特任講師が設計を監修し、帝人フロンティアがナイロン不織布素材(生地裏側をラミネート加工)を使用した医療用ガウンの試作品5000着を企画・製作した。今月12日まで着用試験を実施し、着脱性や動きやすさ、蒸れ感など、着心地と安全性の評価を行った。

着用試験に使用する医療用ガウン
着用試験に使用する医療用ガウンの首紐部分

 試作品はラミネート加工の柔らかい素材を使い着心地をよくしたほか、米国医療機器振興協会(AAMI)が定める4段階のバリア性基準でレベル2以上のバリア性をもたせた。また、肌露出による感染リスクを低減させるため、袖口のめくれ防止として袖口に親指を通すフック穴を追加。背中側の首紐設計にも工夫を施し、汚染部位に触れることなく素早く脱衣できるよう、容易に引きちぎれる首紐を採用した。袖丈を従来品より長くし、動作時の突っ張り感も低減した。着用試験終了後に医療機関への販売開始を予定する。

 今後も医療従事者の意見を取り入れ、安全性、快適性を追求した医療用ガウンの開発・生産を継続していく考えだ。