【化学企業 入社式訓示④】クラレ 川原仁社長

, ,

2021年4月7日

 希望と意欲に満ちあふれた皆さんを迎え、たいへん嬉しい。私も今年社長になったので、同様のスタートだ。

 当社は創業時から「社会から得た利益は、社会に還元する」という基本理念で経営基盤を固め、社会福祉活動や公共的事業を行い、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」ために、独自の卓越した技術で社会に貢献するという信念で発展してきた。社会的責任・社会貢献に関し、長い歴史で積み上げた実績が真の強みで、これを引継ぎ発展させるために一緒に進もう。

 さて、幸せな生活と、働き甲斐を感じて質の高い仕事をするには、健康が基本だ。健康管理には十分留意し、そして人格を確立してほしい。毎日の心掛けで「芯」ができ「価値観」が定まり、考え方や行動への自信に繋がり、組織やチームの中でのリーダーシップ能力が醸成される。

 仕事に取り組む際の心構えは3つ。1つ目は「分からないことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞く」こと。初めての仕事には、謙虚に教えを請う姿勢が大切だ。最初は会社の仕組みや仕事の全体像、背景が分からず「何を知らないのかさえも分からない」だろうが、分かるまで聞き、しっかり覚えてほしい。

 2つ目は「与えられた仕事や役割でベストを尽くす」ことだ。実際の仕事はイメージとは違うかもしれないが、今後のキャリア・習熟度を勘案して用意している。与えられた仕事や役割に真摯に取り組み、小さな一つひとつの積み重ねが力となっていく。自分に起こる出来事と、今の自分を受け容れ、どんな仕事にも真摯に向き合い、誠実に取り組んで結果を出すと周りから信頼され、大きく重要な仕事を任せてもらえるようになるはずだ。

 3つ目は「自己研鑽を続ける」ことだ。これからが勉強であり、世の中には知らないことが山ほどあり、毎日新しい事も起こり、変化の連続だ。どのような職務も、世の中の動きや課題と無縁ではない。本を読み、話を聞き、講習や研修に参加して見聞を広め知見を深め、考える力を養ってほしい。

 最後に、現場実習では一番大切な行動原則としての方針「安全はすべての礎」を繰り返し聞くだろう。しっかりと学び、よく考え、理解し、配属時には全員が自ら体現できるようになっていることを切に願う。