コベストロ 組織体制を再編、サステナブルな成長目指す

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2021年7月26日

 コベストロはこのほど、7月1日付で、これまでの「ポリウレタン」「ポリカーボネート」「塗料・接着剤・スペシャリティーズ」の3つのセグメントを再編し、新たに7つの事業部をスタートさせたと発表した。これにより同社は、今年2月に発表した新戦略「サステナブル・フューチャー」の最初のマイルストーンを達成している。

 マーカス・スタイレマンCEOは「当社はサステナビリティを重視し、サーキュラーエコノミーの実現に向けて組織的に取り組んでいる。今回の組織再編により、今後の新戦略の実行とサステナブルな成長に向けた基盤を確立できた。今後は、顧客にとって、さらに優れたパートナーとなることで競争力を高めていく」と述べている。

 新戦略の第1段階では、個々のマーケットと顧客のニーズにより一層応えられる体制を整備。事業特性に基づき7つの事業部を組織し、バリューチェーン上の重要なオペレーションを事業部ごとに統合した。新たな組織は「ソリューション・スペシャリティ」と「パフォーマンスマテリアルズ」の2つのセグメント。

 前者は、テイラードウレタン、熱可塑性ポリウレタン、塗料・接着剤、エンジニアリングプラスチックス、スペシャリティフィルムの6事業部で構成。技術革新により複雑な製品に注力し、アプリケーションの技術サービスも提供する。一方、後者は1事業部で、スタンダードポリカーボネート、スタンダードウレタン製品、基礎化学品が事業内容。スタンダードな製品を競争力のある市場価格で確実に提供することに注力する。

 新戦略の第2段階では、製品・プロセスを顧客のニーズに合致させるとともに、収益性も追求しながらサステナビリティに取り組む。トーマス・トゥプファーCFOは「当社はサステナブルな成長を目指しており、投資や買収を行う際に収益性とサステナビリティという2つの面を重視する。新組織体制では、リソースの最適な配分が実現する」と述べている。同社の長期ビジョン「We will be fully circular」は、戦略の第3段階で実現される。その一環として、気候中立かつ資源節約型の経済への移行を加速させる方針だ。