星光PMCの上期 増収増益で過去最高益の見通し

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2021年8月26日

 星光PMCは24日、2021年12月期上期(1-6月期)の決算説明会を行った。連結業績は、売上高は前年同期比20%増の150億円、営業利益同55%増の15億円、経常利益同66%増の16億円、純利益同72%増の11億円で、いずれも過去最高となった。ウェブ会議の中で滝沢智社長は「国内外の需要回復と、新規拡販による出荷増、品目構成良化が増益に貢献した」と総括した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品事業は増収増益。国内製紙業界の紙・板紙生産量が同3.5%増であったのに対し、同社は紙力増強剤などの差別化商品の国内外での拡販に努め、同セグメントの売上高は同15%増と大きく拡大した。利益面では、売上高増加が原料価格上昇を相殺した。印刷紙は減少傾向が続いており、今後、需要変化に対応していく。

 樹脂事業は増収増益。国内の印刷インキ生産量は減少したが、粘着剤や印刷インキ・記録材料用樹脂の売上が順調に推移した。

 化成品事業は増収増益。売上の6割以上を輸出が占め、中国の需要回復に加え、機能性モノマーの欧州・アジアへの出荷が好調だった。

 通期の見通しについては、第3四半期(7-9月)以降も、国内外の需要増加と拡販による増収と、原料価格の騰勢に加え減価償却と設備投資が増加するものの増益を見込んでいる。売上高310億円(前回公表比24億円増)、営業利益29億円(同1億4000万円増)、経常利益31億円(同2億4000万円増)、純利益20億円(同1億6000万円増)に上方修正した。今年は中計の最終年だが、中計目標値には僅かに未達の見通し。引き続き営業利益30億円に向けて努力を継続する。

 また海外事業拡大と新事業構築に向け、ベトナムと新綜工業(台湾)の新工場、中国の張家港工場の増産設備の稼働や、CNF(セルロースナノファイバー)とAgNW(銀ナノワイヤー)の事業化推進のために、設備投資額40億円、研究開発投資20億円を予定している。滝沢社長は「持続的社会に貢献するグループ企業を目指し、GHGの削減、ダイバーシティの推進、脱プラ・紙化推進にも一層取り組んでいく」と意気込みを述べた。