帝人 メタ系アラミドがカーレース向けスーツに採用 

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2021年9月3日

 帝人はこのほど、同社が展開するメタ系アラミド「コーネックス・ネオ」が、電気自動車のフォーミュラーカーレース「フォーミュラE」に参戦する英国のチーム「EVR」のレーシングスーツに採用されたと発表した。「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツ向けに使用されるのは初となる。

パラ系アラミド「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツに採用
パラ系アラミド「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツに採用

 帝人グループは、地球温暖化への意識啓発の1つのアプローチとして、昨年からEVRを支援。その中で、次世代の自動車に求められる軽量・高強度でデザイン性に優れる部品や、安全性に貢献する製品の開発に向けた技術や知見を追求している。こうした中、400℃超の耐熱性をもち防炎性に優れる「コーネックス」にあって、世界的に難しいとされる安定した高い染色性を備える「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツ向けに採用された。

 今回のレーシングスーツは、帝人グループのテイジン・アラミド(オランダ)と、モータースポーツ用品メーカーであるOMPレーシング(イタリア)が共同開発。外層に「コーネックス・ネオ」使用の超軽量生地を使用しているため、高い難燃性や耐熱性をもち、過酷なレース環境にも耐えることが可能だ。 また、染色性に優れることから、EVRが求める色合いやデザインを実現した。

 さらに「コーネックス・ネオ」は、特殊な紡糸法により製造プロセスの化学物質排出やエネルギー消費を削減し、欧州の化学物質管理の法規制であるREACHをクリア。EVRがチームのミッションとして掲げる「地球温暖化に挑むレース」にも合致している。

 このレーシングスーツは、「コーネックス・ネオ」を特殊加工した素材とそれに適した生地設計を採用したことにより、一般的なレーシングスーツよりも一層少ない二層構造となり、従来EVRが着用していたものに比べて10%の軽量化を実現。着用快適性が高まり、ドライバーの動きやパフォーマンスの向上に貢献する。また、安全性についても、国際自動車連盟の基準に沿った厳密なテストをクリアしている。なお、このレーシングスーツは、8月14日に開催されたベルリン大会で初めて着用された。