JSR EUV用フォトレジストのインプリアを完全子会社化

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2021年9月22日

 JSRはこのほど、EUV(極端紫外線)リソグラフィ用メタル系フォトレジストの設計・開発・製造会社で世界をリードする米インプリアを完全子会社化すると発表した。

 EUVの最先端のリソグラフィプロセスは、半導体チップの微細化が進むにつれて、使用が大幅に増加するものと予想される。JSRはすでに同社株式の21%を所有しており、完全子会社化は、規制当局の承認などを経て今年10月末には完了する予定。なお、両社はインプリアの事業価値について5億1400万ドル(約565億4000万円)で合意している。

 インプリアは、2007年の設立以来、メタル系EUVフォトレジストの開発に取り組み、EUV露光で世界最高性能の限界解像度を達成している。同社のメタル系フォトレジストにより、ユーザーは製造で求められる低欠陥レベルを満たし、より微細な構造をパターニングすることができる。また同社の材料ソリューションは、EUV工程でのパターニングのコストの大幅な削減に貢献する。

 JSRは、強みである技術革新力を生かしてデジタルソリューション事業とライフサイエンス事業に注力し、今後の事業拡大を図っていく方針を掲げている。今回の買収は、最先端材料の製品ポートフォリオをさらに強固にするだけでなく、顧客やパートナーが技術革新を継続し、効率よく製造することを可能にする戦略的アプローチ。フォトレジストの製品群にメタル系レジストを加えることで、半導体材料のサプライヤーとしてシームレスに価値を提供していく。

 JSRのエリック・ ジョンソンCEOは「インプリアの技術は当社の戦略に合致しているだけでなく、当社と同様にR&Dを中心とした文化をもち、イノベーション主導の考え方で動いている。共通の情熱をもって、業界を前進していける」とコメント。

 一方、インプリアのアンドリュー・グレンビルCEOは「当社のメタル系フォトレジスト技術と、JSRがこれまでに培ってきた品質、製造、顧客対応の比類のない経験を組み合わせることで、より多くの半導体製造現場で当社プラットフォームの本格採用を加速させていく。JSRとともに、高NA(開口率)EUV時代の顧客ニーズに応えていくことができる」と述べている。