ランクセス プラ・金属製の放熱性レーダーセンサー提案

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2021年9月28日

 ランクセスはこのほど、熱管理性能を備えたレーダーセンサーの新たなコンセプトを開発した。

 熱伝導性プラスチックと金属冷却素子の組み合わせで、組み立てが容易で素材選択の自由度が高い。次世代自動車の主要機能である運転支援システムは距離制御、車線変更監視、衝突回避、死角監視システムなどで構成される。レーダー波による車両周囲360度の監視には、レーダーセンサーは不可欠。センサーは防塵・防水の完全密閉システムであり、内部からの効果的な放熱が困難で、電子機器の性能とセンサーの耐久性を損なう恐れがある。

 同コンセプトは、フロントカバー(レドーム)、レーダー吸収体、アンテナと、冷却素子を一体化したバックカバーなどで構成。主にポリ塩化ビフェニル製だが、高いレーダー波透過性が必要なレドームには、低誘電率(Dk)・低損失係数(Df)のポリブチレンテレフタレート(PBT)「ポカン」が適する。

 バックカバーは、ポリアミド(PA)6と金属冷却素子の、プラスチック金属ハイブリッドだ。射出成形により、補強リブや冷却リブ、コネクタ用スロット、さらに歪みのないケーブル取り付けなどが一体化。電子部品が発生する熱は、金属冷却素子の表面に薄く形成されたプラスチックを通じてアセンブリ全体から効率的に放散され、その効果は熱伝導性PA6「デュレタンBTC」で確認済みだ。

 また金属製冷却素子は、レーダーセンサー内の電子機器を電磁放射から保護する。個々の部品はスナップフィットとホットリベット、2成分射出成形のOリングとシールリップで組み立てるため、ネジを使用する従来法に比べて安価で時間も短縮され、部品を溶接する必要がないため、異種のコンパウンドも使用できる。同社は、「HiAnt」ブランドの下、材料やアプリケーション、プロセスの技術開発のノウハウを結集し、コンセプト設計、材料最適化、機械的・レオロジー的シミュレーション、コンポーネントテスト、生産立ち上げなど、あらゆる開発段階でパートナーをサポートしている。