ダイセル 酢酸セルロース、海洋生分解性の国際認証取得

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2021年10月11日

 ダイセルはこのほど、高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO(キャフブロ)」が、海洋生分解性を証明する国際認証「OK biodegradable MARINE」を8月に取得したと発表した。

「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得
「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得

 今回の認証取得は、工業用コンポストで安全に生分解することを証明する国際認証「OK compost INDUSTRIAL」に加え、2つ目の生分解性認証取得となる。

 酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される。天然由来かつ生分解性をもった環境にやさしい素材で、使用後には、最終的に水とCO2に生分解される。また、非可食性の素材を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えないことも特徴だ。

 同社は長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見出だし、従来製品の品質を保ったまま、特に海洋での生分解速度をさらに高めた新製品「キャフブロ」を開発。

 近年、人間が出す大量のプラスチックゴミによる海洋汚染により、漁業や海洋生態系、人の健康などへの影響が大きな社会的課題となっている。同社は酢酸セルロースおよび「キャフブロ」の普及を通じてこの社会的課題の解決を目指す。

 酢酸セルロースは、メガネフレーム、繊維、液晶保護フィルム、化粧品など人々の生活の中で広く利用されている素材。可塑剤を加えることで、他のプラスチック同様に熱成型も可能となる。

 同社は今後も、パートナー企業や自治体と協力し、海洋への流出が懸念される様々な製品へ酢酸セルロースと『キャフブロ』が採用されるよう用途開発を進めていく。